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世界の代表的スープ(2) ボルシチ
 

見た目にも美しい、深紅のスープは40種類

『スープ』とひとくちにいっても、さまざまなタイプのものがあります。
普段私たちになじみのあるスープは、大きくわけて2種類。
「コンソメ」タイプの透明なスープと「ポタージュ」タイプの濃くてとろりとしたスープ です。
「ボルシチ」という美しい深紅のスープは、私たち日本人にあまり馴染みのないロシア料理の中では、もっとも名前を知られたスープでしょう。
ボルシチといっても、シベリア風、ウクライナ風、モスクワ風など地方独特の味わいがあり、ロシア全土でその数は40種類以上にものぼるといわれています。
共通しているのは、赤いスープの色。「ビート」という野菜から出る色素です。

ビートはかぶによく似た野菜で、実を切ると外側だけでなく、真ん中まで真っ赤。
とてもアクの強い野菜で、中国野菜の甜菜と同じように、強い甘味を持っています。

強い甘味を持つ個性的なビートと、こってりとした肉のうま味を溶け込ませた濃厚なスープ、ボルシチ。ポトフと同じく、肉はかたまり、野菜は丸ごと煮込みます。
具が煮えたら取り出して、細かく切っておきます。
その間にスープにビートやキャベツ、いろいろな野菜を加えて煮込んで調理、最後に取り出しておいた具材を戻します。
ポイントは雪のような、サワークリーム。
テーブルで食べる直前に乗せますが、このサワークリームがボルシチの濃厚な味わいをやわらげ、食感をさわやかにまとめる役割を果たしているのです。

寒い国で身体をあたためる、ボリュームたっぷりの食事

そしてボルシチといえば、お皿から盛り上がるほどに具だくさんであることも印象的です。
これは、冬の長いロシアでの生活習慣から。

温かくて濃厚なスープでたっぷりの栄養を取ることが、厳しい寒さを乗り切るための知恵として、暮らしに根付いているということです。 日本ではビートは一般的でなく、入手も難しいのでトマトで赤色を代用したボルシチが多いようですが、輸入食品を扱うスーパーが増えた近ごろでは、食用ビートは缶詰で手に入ります。
ロシアの人たちが今も食べているボルシチと日本に渡ってきたボルシチ。
味の違いを比べてみると、冬の寒さも少しだけ温かく感じられるかもしれません。

味の素レシピ大百科・ボルシチのレシピはこちら

参考:
『ロシアおいしい味めぐり』(小町文雄・勉誠出版 2004年)
『スープ入門』(社団法人日本セルフサービス協会・日本食料新聞社 1986年)

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